COLUMN

「LIGHT WILL RISE」全曲解説 楽曲編

2025.11.10

第5回 ボーカル 緒方豊和


01 SHAKA

TUBTRACKの魅力が詰まった1曲!アルバムRebirthのような重厚感とスケールの大きなサウンド、キャッチーなサビになったのがとても嬉しい。slave of the nationの第二弾のような雰囲気を感じている。曲のベーシックは20年以上前の三井のデモで、ずっと形にしたいと思っていたんだけど今回の仕上がりになったことでTUBTRACKサウンドの軸がブレていないことの証明になったと思う。個人的に間奏のスクリームはこれまでとは違うアプローチで狂気を表現できた。ミックスが終了した後に三井から「Bメロのハロくんのギターを上げたい」という後出しじゃんけんがあったが、そのおかげでBメロがよりスリリングになった。イントロのまさのドラムからギターが入る流れがめっちゃカッコいい。


02 Riding the wind

バイカー系YouTubeチャンネル(エン人)のテーマ曲を作ってほしいというオファーから始まったこの曲の制作。レコーディングしたくてウズウズしていた自分としては願ってもない話だった。詞曲ともテーマは「疾走感」。三井の手による楽曲に歌詞を書いた。この時に三井は作業が早くすぐにデモを制作、TUBTRACKの鼓動が早くなっているのを感じた。デモ段階のメロを少しいじってよりキャッチーな方向にシフトさせたんだけど、サビはさらっと歌っているようで実は結構なハイトーンだったりする。「この風に乗れば辿り着くはずだろう」この歌い出しで風を切って走るバイクと前向きな気持ちをリンクさせてスリリングな展開に持ち込めた。エン人のエンディングでこの曲が流れると出演してる方の人生をドラマチックに演出できているようで毎回嬉しくなる。


03 ROOM76

大西の手による16ビートとホーンが気持ちいい曲。デモ段階のオケに歌メロをつたけんだけど、意識したのは早口とファルセットでこれまでとは違った感じを出したかった。サウンドもこれほどホーンや鍵盤を導入した曲は過去になく、TUBTRACKとしては実験的要素が散りばめられている。それを受けて歌詞も冒険してみた。テーマは「ダメ男」。これまで前向きで力強い歌詞を書いてきたけど全く手触りが違うものになっている。よりリアリティがあるというか、ドラマというか。最後も「誰かオレを殴ってくれ」と他力本願でダメダメぶりを発揮している。ちなみにROOM76は主人公と彼女が同棲している部屋で、76は仮タイトルをつける時に適当にキーを叩いたらそうなった。ROOM21でもよかったけど、76ってなんかカッコいい。


04 ASSASSIN

アニメの主題歌になりそうな曲をやってみない?という提案に対して大西がサラッといい感じのデモを持ってきて、それにメロをつけたらマジでアニメ主題歌的な曲になった。こんなに簡単にいくとは思わなかっただけに嬉しい驚きと同時に大西の仕事の早さに毎回驚かされる。MVはその方向性通り全編アニメ(AI静止画)で善と悪が戦う姿を描いた。歌詞のテーマは「悪を滅ぼす暗殺者」。暗殺者というと普通は悪寄りというかネガティブな存在だけど、この曲の中では誹謗中傷に誘う悪に対する正義の味方に仕立てることで普通のヒーローではない感を出した。いわゆるダークヒーロー的なイメージ。サビのメロはキャッチーで秀逸だと自負。


05 MELODY

デモの段階では構成がよくわからなかったけど、作者の大西から説明されてなるほど面白いやん!と理解できた。Bメロとサビのコード進行がほとんど同じでメロディーで違いを生んでいるらしい。確かにスラッシュメタルとかはAメロからサビまでコードが変わらないなんて曲もあるしね。TUBTRACKでは初じゃないかな。サウンドはメロの切なさからハードな8ビートのロック曲に仕上げれば合うんじゃないかと思い、アレンジを依頼した。弦楽器隊はもちろんダウンピッキング!思惑通りストレートなロックナンバーに仕上がったと思う。歌詞は亡くなった友人への思いを飾らずに素直に綴っていて、リリックビデオでは共に汗と涙を流した母校と野球部時代の画像を使っている。このアルバムにはその時とは違うミックスのバージョンが収められている。


「LIGHT WILL RISE」全曲解説 楽曲編

2025.11.08

第4回 ドラム 村上真人


01 shaka

"ダークさと激しさの中にもどこか希望を感じさせるような力強さのある楽曲。

2005年には原案があったからか、当時のタブトラックも感じることができる。

ボーカル緒方の声質もあって、暗すぎない仕上がりになっていて今でも自分でよく聴いている曲。"


02 Riding the wind

"バイカーチャンネル「エン人」のために書き下ろしたスピード感あふれる楽曲となっており、「エン人」の動画でこの曲が流れてきた時は感動した。

激しさと、どこか爽快感が同居する名曲。"


03 room76

ホーンの入ったダンサブルな1曲。いつか生のホーンを入れて大きい会場でやってみたい。


04 Assassin

"乗りやすいリズム、乗りやすい掛け声でタブトラックでは異色な楽曲ながらライブではジャンプしながら盛り上がれる1曲。作者大西は意識していないだろうがKISSの「I Was Made for Lovin' You」にも通じる楽曲だと思っている。"


05 Melody

"アップテンポのビートロック的要素を持ち合わせたキャッチーな1曲。

タイトル通り、秀逸なメロディが特徴でカラオケで盛り上がれそう。"


「LIGHT WILL RISE」全曲解説 楽曲編

2025.11.06

第3回 ギター ハロ


01 SHAKA

重めのサウンドに、切ないメロディ。

これぞ、TUBTRACK というアルバム1曲目にふさわしい楽曲だと思います。


02 Riding the wind

バイク系YouTubeのテーマソングの曲です。軽快なイントロから始まるノリノリなロックナンバー。

サウンド、メロディーが心地よくユニゾンフレーズがカッコ良くてスピード出したくなります。

風を感じながら聴きたい曲。


03 ROOM76

シンセたっぷり入った弾いてて楽しい曲。TUBTRACK の曲はリズムが難しいが、これも難しい。

イントロ、Aメロの単音フレーズが弾いてて気持ち良い。


04 ASSASSIN

デモを聴いた時からアニメの主題歌になれそうな素晴らしい曲と感じました。

PVのアニメーションも曲にマッチしており素晴らしい作品だと思う。

ライブでは是非大合唱していただきたいです。


05 Melody

他のメンバーも言っていますが、90年代のJ-ROCKを感じさせる曲調。

意外に難易度が高く今回のアルバムで1番レコーディングに時間を費やした記憶があります。


「LIGHT WILL RISE」全曲解説 楽曲編

2025.11.03

第2回 ギター 三井隆介 


01 SHAKA

2005年頃に作っていたデモ曲が、約20年の時を経てついに世に出ることになりました。この20年の間に、僕たちメンバーも、そしてこの曲自体も、じっくり熟成されたように感じます(笑)ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズといったグランジバンド、そしてメタリカなどの影響を強く受けた、まさに自分らしい一曲です。メタルの重厚さ、グランジの粗削りなエネルギー、不協和音の心地よい緊張感、それらが絶妙にミックスされています。メンバーそれぞれの細やかなアレンジが加わり、最高の仕上がりになりました。今でもレコーディング時のスタジオの興奮が鮮明に思い出されます。


02 Riding the wind

バイカーに人気のYouTubeチャンネル「エン人」のテーマソングとして書き下ろした一曲。一見オーソドックスなリフ構成ながら、要所要所に“わかる人にはわかる”メタリカ愛が散りばめられています。イントロから徐々に加速し、爆発的なサウンドへと展開していく、まさに疾走感あふれるナンバーです。


03 Room76

変態ベーシスト(もちろん褒め言葉)・大西の個性が存分に詰め込まれた一曲。後ろで流れるシンセが絶妙に絡み合い、サビのメロディーは思わず口ずさんでしまうほどキャッチーでビート感満点です。リフのキメも気持ちよく、聴いても弾いても最高に爽快な楽曲に仕上がりました。


04 Assassin

タイトでアグレッシブなグルーヴが全体を引っ張る一曲。ドラムとベースの低音がしっかりと噛み合い、強い一体感を生み出しています。特にサビでは、縦ノリのリズムが躍動感を増し、ライブでも盛り上がること間違いなし。ダークで緊張感のあるサウンドが、タイトル「Assassin(暗殺者)」の世界観を見事に表現しています。


05 メロディー

90年代のジャパニーズロックを彷彿とさせるロックチューン。ボーカル緒方の古巣・CRAZEを思い起こさせるような雰囲気があり、サビでは、一気に世界が開けていくような壮大さと、歌メロが個人的お気に入りポイントです。イントロでは相棒ギター・ハロ君のリフから、懐かしくも熱い90年代の空気を感じられるはずです。


「LIGHT WILL RISE」全曲解説 楽曲編

2025.11.02

第1回 ベース 大西隆浩


まず最初に歌については良いの分かってるのであえてここでは話しませんので悪しからず。

それよりも経緯やポイントに焦点合わせてお話しします。


01 SHAKA

この曲はギターの三井氏が作ったデモの一つで、それこそ初期の昔のもの。そして完成までに仮タイトルが沢山あると言う楽曲。それだけ寝かせてたとも言えるのかな?w そして、中々機会無くいつかやりたいと緒方氏が常々言ってましたが、今回タイミングよくあってやる事になった感じです。楽曲の雰囲気は重厚なこれぞTUBTRACKと言う原点的なサウンド構築になってますのでTUBTRACKと言うバンドを知りたい方はまず聞いて欲しい一曲です。兎に角サビが個人的に気に入ってる作品です。


02 Riding the wind

これはYouTubeチャンネル「エン人」さん絡みで作られた三井氏の書き下ろし楽曲。バイク乗りに刺さる一曲と依頼され作られた楽曲なので、本当に疾風的な雰囲気が心地良いと思います。ちなみに私もこの曲演奏するの楽しいし、アガるので是非皆さんも聞いて頂ければと思います。ちなみにベースは影に隠れて鬼フレーズ満載な楽曲で、特にラスサビのベースフレーズは敬愛を込めてハノイロックスチックなフレーズを盛り込んであります。


03 ROOM76

こちらは私が作った楽曲でフォーンが入るゴージャスな楽曲です。ハネモノと呼ばれるダンス系16ビートの小気味良いサウンドにより、TUBTRACKの新たな境地を開いた楽曲となってます。そもそもはデジロック調のアレンジでしたが、プラスTower of powerチックな三管フォーンセクション入れて見たらとチャレンジしたらバチっと来た感じです。お陰様でナイスなサウンドになりました。ちなみにベースは鬼ムズらしいですが(私はそうは思ってないのです。)こちらロックアプローチと言うより60’s〜70’sFunk&Soulフレーズで攻めてます。特にBメロはモータウンと呼ばれる頃のフレーズ満載です。これもまた良い味出してると思います。


04 ASASSAIN

この曲はそもそもライブで皆と一緒に歌える楽曲が欲しくて作りました。なので進行はシンプルに仕上げてます。そして、ベースも鬼シンプルにしました!これは個人的にお気楽にコーラスしたかったからですw 兎に角、皆で歌い共に一緒に拳を振り上げて歌いたい。そんな感じです。尚、ストリングスアレンジはロットシチュアートの某曲を参考にしてたりしますwわかるかな?w


05 メロディ

こちらは新TUBTRACKのイメージ的な物を探してて作っては消しての繰り返し中、偶然出来た曲で、そもそもはミドルバラード的に仕上げようと考えてたら、緒方氏の案でビート系に。初めは転調せずにと考えてましたが、どうしても良い感じのAメロ感が出ず、結局、90年代よく使われたギミック転調を用いてみたところ、作り終え気がついたらめちゃくちゃ転調の嵐になり、非常に難しくなっちゃいましたw

と言うのも、その要因として、1番まで作った時点で緒方氏が歌詞を書き上げ、そのイメージに触発されて間奏含め全体的に作り直したからです。特に間奏のプランとして考えだしたのは、ギターソロはメジャーとマイナーが交互に来て、壮大なイメージを構築しようと画策し、結果、全音落ちしながら元のキーに戻ると言う荒技になりましたw

では、何故メジャーコード、マイナーコードの交互が良かったのか?と言うと、メジャーが楽しい思い出を表し、マイナーが悲しい現実を表してて、それが繰り返されてリフレインされると言う流れが欲しかったからです。しかも全音落ちしながら2番に向かうと言うドラマティック展開で上手くまとまったので良かったです。まぁギター二人からは何じゃこれ?と言われまくりましたが、聞いてもらえばわかると思いますが、とても良い感じに仕上がったと思いますので、是非間奏部分も聞いて頂けたらと思います。

尚、CDに収録されているバージョンはyoutubeに上がってる物とは違います。更にパワーアップしてるので堪能して頂ければと思います。そしてここだけの話、Bメロとサビのコード進行は同じでして、実は歌のメロディでその差を出していると言う所も、このメロディと言う題名らしさを象徴してる気もしてます。兎に角、緒方氏の想いに応えたかったので、個人的には良い曲になり満足している楽曲です。